2006年08月22日
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宇宙戦艦ヤマト再分析序論・加藤三郎の乗機はブラックタイガーではなくコスモゼロである疑惑

Written By: トーノZERO連絡先

 映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」を再び分析の対象にしてみようという時代錯誤な企画の派生として、(初代)TVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」の分析にもちらっと手を出してみようと思いました。間違い、勘違い、異論、反論などは上記メールアドレスかtestml4までお寄せ下さい。

森雪の台詞に注意せよ §

 第4話「驚異の世界!!光を飛び越えたヤマト!!」で、森雪は以下のような台詞を言っています。(記憶で書いたうろ覚えの内容なので、間違いはご容赦!)

古代、加藤の宇宙零戦(うちゅうぜろせん)帰還。ブラックタイガーチーム、帰還中

 ここで注意すべき点……つまり謎は2つあります。

 1つは、雪が「うちゅうぜろせん」という耳慣れない言葉を使っていること。

 もう1つは、古代と加藤が同じ「うちゅうぜろせん」に乗っていると主張しているように見えることです。

そもそも「うちゅうぜろせん」とは? §

 コスモゼロのことだと考えて良いと思います。

 正式名称とその解釈には様々な異説が存在するようですが、通称は漢字で「宇宙零戦」と書いて「コスモゼロ」と読むのはおそらく間違いないでしょう。

 おそらく、読み方を知らなかった雪は、漢字の名称をそのまま読み上げたのだろうと思います。

 ちなみに、正式名称については、ロマンアルバム宇宙戦艦ヤマト掲載の設定資料からは、「零式52型宇宙艦上戦闘機」と読み取れます。

加藤の乗機はコスモゼロか? §

 少なくとも映像を見る限り、加藤がコスモゼロに乗った描写は「無い」と思われます。

 加藤は常にブラックタイガーに乗っています。

 では、なぜ雪は「うちゅうぜろせん(コスモゼロ)」と報告したのでしょうか?

雪の立場と役割を考察する §

 雪の第1艦橋での役割は、レーダーの担当です。

 戦闘機隊の帰還を雪が報告しているということは、レーダーの情報を見て報告していると考えられます。

 とすれば、レーダーには、表示される輝点が誰の機体であるか、(もちろん敵と味方の識別も)表示されていると考えて良いと思います。

 しかし、機種名を誤って報告していることから、表示された戦闘機の機種名までは表示されていない……と考えて良いと思います。

ならば、なぜ雪は「うちゅうぜろせん」という機種名を言えたのか §

 リアルタイムの情報を示すレーダーでは機種が分からないということは、事前の資料で予習した情報で機種名を言ったことになります。

 ここで「事前の資料で予習」というステップの存在が示唆されたことで、雪がコスモゼロを「うちゅうぜろせん」と読んでしまった理由が見えてきます。

 つまり、文字資料を読んだ雪は、「宇宙零戦」という言葉に「コスモゼロ」という読みがあることに気付かず、文字通り「うちゅうぜろせん」だと誤って暗記してしまった可能性があります。

 (ちなみに、雪は「うちゅうれいせん」と読むようなマニアックな人ではない)

 これで第1の謎に説明が付きました。

事前の文字資料での加藤用コスモゼロ §

 とすれば、雪が古代と加藤の乗機がコスモゼロであると考えた根拠は、「事前の文字資料」にあると考えるのが自然です。

 その資料には、おそらく、古代と加藤にはコスモゼロが用意されている……と書かれていたのでしょう。

 しかし、実際には何かの理由で、加藤の機体はコスモゼロからブラックタイガーに変更されたのでしょう。(その理由については、別途考察の価値あり)

 そして、そのような運用の問題は、部門違いの雪に伝わってはいなかったのでしょう。

 また、第1艦橋からは、艦尾のカタパルトも艦底の艦載機発進口も見えませんから、見て思い込みを訂正するチャンスもないでしょう。

 だから、計画通りに戦闘機が運用されていると考え、報告を行ったとすれば、雪の台詞は全てつじつまが合います。

次なる課題・直前になって加藤の機体がブラックタイガーに変更された理由 §

 この理由を考えているうち、冥王星海戦の謎(なぜ敵味方共に空母がいないのか、なぜシュルツ艦がいないのか……等)に説明を付けられることに気付きました。

 更なる研究課題です。

2008/11/12追記 §

 反論が寄せられました。「『加藤三郎の乗機はブラックタイガーではなくコスモゼロである疑惑』を否定するご意見」もご覧ください。

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